英語の let / make / have / get は、どれも日本語では「〜させる」「〜してもらう」と訳されやすい表現です。
ただし、実際には同じではありません。
許可するのか、無理にさせるのか、指示してやってもらうのか、頼んでそうしてもらうのかで、使う動詞が変わります。
この4つの違いをあいまいなまま覚えると、
- let と make が逆になる
- have と get の差がわからない
- get の後ろだけ to が必要な理由で混乱する
- have my hair cut のような形が急に難しく感じる
といったつまずきが起きやすくなります。
この記事では、初心者の方でも整理しやすいように、まず全体像をつかみ、そのあとで1つずつやさしく見ていきます。
let / make / have / get の違いを先に表で整理
| 動詞 | 基本イメージ | 日本語の感覚 | 形 |
|---|---|---|---|
| let | 許す・自由にさせる | 〜するのを許す | let + 人 + 動詞原形 |
| make | 強制する・そうなるようにする | 無理に〜させる | make + 人 + 動詞原形 |
| have | 指示・手配してやってもらう | 〜してもらう / 〜させる | have + 人 + 動詞原形 |
| get | 働きかけてそうしてもらう | 頼んで〜してもらう | get + 人 + to + 動詞原形 |
まずはこの4つだけ押さえれば大丈夫です。
覚え方はシンプルです。
- let = 許可
- make = 強制
- have = 指示・手配
- get = 説得・依頼
使役動詞とは何か
使役動詞とは、「誰かが何かをするようにする」 ときに使う動詞です。
たとえば、
- 親が子どもにゲームをさせる
- 先生が生徒に宿題をさせる
- 美容師に髪を切ってもらう
- 友だちに手伝ってもらう
このように、自分が直接するのではなく、他の人に行動してもらう場面でよく使います。
ただし、日本語ではどれも「させる」「してもらう」で済ませやすい一方、英語では 話し手と相手の関係・気持ち・立場 が動詞の選び方に出ます。
そこが、let / make / have / get を使い分けるいちばん大事なポイントです。
まずは1文ずつ理解する
let:〜するのを許す
let は、相手がしたいことを 許す ときに使います。
My mother let me stay out late.
母は私が遅くまで外にいるのを許してくれた。
この文では、私は「遅くまでいたい」と思っていて、母がそれを許しています。
相手の希望を止めない イメージです。
let のポイント
- 「やりたがっていることを許す」感じ
- 圧力よりも 許可 のニュアンスが強い
- 後ろは 動詞原形
例文
- My teacher let us use dictionaries in class.
先生は授業中に辞書を使うことを許してくれました。 - Please let me explain.
説明させてください。 - They let their children play outside.
彼らは子どもたちを外で遊ばせています。
make:無理に〜させる
make は、相手の意思にかかわらず、そうせざるを得ない状態にする ときに使います。
The teacher made him apologize.
先生は彼に謝らせた。
これは「謝ってもいいよ」と許可したのではなく、
謝るように強く求めた という感じです。
make のポイント
- 強制・圧力 のニュアンスがある
- 人だけでなく、物事が人をある状態にする場合にも使える
- 後ろは 動詞原形
例文
- My parents made me clean my room.
親は私に部屋を掃除させた。 - The news made me cry.
その知らせで私は泣いた。 - His joke made everyone laugh.
彼の冗談でみんなが笑った。
最後の文のように、make は「無理やり命令した」という意味だけでなく、
結果としてそういう反応を起こさせた という使い方もよくあります。
have:指示して〜してもらう
have は、立場や役割にもとづいて、人にやってもらう ときに使います。
I’ll have my assistant call you.
アシスタントにあなたへ電話させます。
この have は、make ほど強い「無理やり感」はありません。
相手に役割があり、仕事として動いてもらう 感じです。
have のポイント
- 指示・依頼・手配 の中でも、比較的自然で落ち着いた響き
- 相手が部下、担当者、家族、店員などでも使いやすい
- 後ろは 動詞原形
例文
- I had my son wash the car.
息子に車を洗ってもらった。 - I’ll have the staff prepare the room.
スタッフに部屋を準備させます。 - She had her secretary send the email.
彼女は秘書にそのメールを送らせた。
have は「担当に動いてもらう」感覚で覚えると使いやすくなります。
get:働きかけて〜してもらう
get は、相手に頼んだり説得したりして、その気になってもらって行動してもらう ときに使います。
I got him to help me.
私は彼に頼んで手伝ってもらった。
have と似ていますが、get のほうが
一声かける・お願いする・説得する・なんとか動いてもらう 感じが出やすいです。
get のポイント
- 依頼・説得・働きかけ のニュアンス
- have より少し「そこまで持っていった感じ」がある
- 後ろは to + 動詞原形
例文
- I got my brother to carry my bag.
弟に頼んでバッグを運んでもらった。 - She got her friend to join the club.
彼女は友人を誘ってそのクラブに入ってもらった。 - We finally got him to agree.
私たちはついに彼を説得して同意してもらった。
4つの違いは「強さ」より「関係」で考えるとわかりやすい
使役動詞は「強い・弱い」でだけ覚えると、途中で混乱しやすくなります。
たしかに大まかには、
- make は強い
- let は許可
- have は指示
- get は働きかけ
と整理できます。
ただ、本当に大事なのは 相手との関係 です。
同じ「彼に部屋を片づけさせた」でも違う
I let him clean the room.
彼が部屋を片づけることを 許した。
I made him clean the room.
彼に 無理に 部屋を片づけさせた。
I had him clean the room.
彼に 担当として・指示して 部屋を片づけさせた。
I got him to clean the room.
彼に 頼んで・説得して 部屋を片づけてもらった。
日本語ではどれも「片づけさせた」と言えてしまいますが、英語ではかなり違います。
この差を見分けられるようになると、使役動詞がぐっとわかりやすくなります。
形の違いで迷わないコツ
ここはテストでも会話でも間違えやすいところです。
まずは形を一気に整理しましょう。
let / make / have は「人 + 動詞原形」
- let + 人 + 動詞原形
- make + 人 + 動詞原形
- have + 人 + 動詞原形
例:
- let me go
- make him study
- have her call me
to はつきません。
get は「人 + to + 動詞原形」
- get + 人 + to + 動詞原形
例:
- get him to study
- get her to call me
ここだけ to が必要です。
まずは get だけ仲間外れ と覚えてしまうのが早いです。
have / get は「物 + 過去分詞」でもよく使う
これが使役動詞の大事なポイントです。
have + 物 + 過去分詞
get + 物 + 過去分詞
この形は、その物に対して何かをしてもらう ときに使います。
- I had my hair cut.
髪を切ってもらった。 - She got her phone repaired.
彼女はスマホを修理してもらった。 - We had the windows cleaned.
窓を掃除してもらった。
この形では、誰がやったかより、何をしてもらったか に焦点があります。
make の受け身は to が必要
能動文では make の後ろは動詞原形ですが、受け身になると形が変わります。
- The teacher made him apologize.
- He was made to apologize.
ここでは to apologize になります。
この変化はとても有名なポイントなので、セットで覚えておくと安心です。
よくある間違い
let の後ろに to を入れる
× let him to go
○ let him go
let の後ろは 動詞原形 です。
make の後ろに to を入れる
× make me to study
○ make me study
make も 動詞原形 です。
get の後ろで to を落とす
× get him help me
○ get him to help me
get だけは to + 動詞原形 です。
have my hair cut と have my sister cut my hair を混同する
この2つは似ていますが、見ている中心が違います。
I had my sister cut my hair.
妹に髪を切ってもらった。
→ 行動する人 を中心に見ている
I had my hair cut.
髪を切ってもらった。
→ 処理されたもの を中心に見ている
初心者のうちは、
人が来たら動詞原形、物が来たら過去分詞 と考えると整理しやすいです。
実際によく使う場面別の使い分け
許可を表したいなら let
- 子どもにゲームをさせる
- 部下に早退を許す
- 自分に説明させてほしいと言う
このように、相手がやりたいことを認める ときは let が合います。
無理にさせたなら make
- 子どもに謝らせた
- 生徒に立たせた
- その経験が私を成長させた
圧力・強制・強い原因 があるなら make が自然です。
仕事や手配なら have
- スタッフに準備させる
- 秘書にメールを送らせる
- 美容院で髪を切ってもらう
担当者に動いてもらう 場面では have がとても使いやすいです。
頼んでそうしてもらったなら get
- 友だちに手伝ってもらう
- 上司に許可してもらう
- 修理してもらうよう手配する
お願い・説得・働きかけ の感じを出したいときは get がぴったりです。
例文でまとめて比較
1. 子どもがゲームをする場面
- I let my son play video games.
息子がゲームをするのを許した。 - I made my son stop playing video games.
息子にゲームをやめさせた。 - I had my son do his homework first.
息子にまず宿題をさせた。 - I got my son to turn off the game.
息子をうまく促してゲームを消させた。
2. パソコンの修理の場面
- I had my assistant fix the computer.
アシスタントにパソコンを修理させた。 - I got my friend to fix the computer.
友人に頼んでパソコンを直してもらった。 - I had the computer fixed.
パソコンを修理してもらった。 - I got the computer fixed.
パソコンを修理してもらった。
最後の2つはかなり近い意味ですが、get のほうがやや会話的で、
「なんとか手配して修理してもらった」という感じが出ることがあります。
覚え方のコツ
迷ったら、次の一行で思い出してください。
let は許す、make は無理にさせる、have は人にやってもらう、get は頼んでそうしてもらう。
さらに形まで一緒に覚えるなら、このセットが便利です。
- let + 人 + 動詞原形
- make + 人 + 動詞原形
- have + 人 + 動詞原形
- get + 人 + to + 動詞原形
- have / get + 物 + 過去分詞
意味だけでなく、形ごと覚える のが最短です。
まとめ
let / make / have / get は、どれも「人に何かをしてもらう」場面で使えますが、意味は同じではありません。
大事なのは、次の違いです。
- let:相手にすることを許す
- make:相手に無理にさせる
- have:指示・手配してやってもらう
- get:頼んだり説得したりしてやってもらう
そして形は、
- let / make / have + 人 + 動詞原形
- get + 人 + to + 動詞原形
- have / get + 物 + 過去分詞
ここまで整理できれば、使役動詞はかなり使いやすくなります。
最初は「全部同じに見える」と感じても大丈夫です。
誰の気持ちが中心か、どんな働きかけか を意識すると、自然に選べるようになります。
