compliment と complement は、スペルがよく似ているうえに発音もかなり近いため、英語学習者が混同しやすい単語です。
ただし、意味ははっきり分かれています。
- compliment = 褒め言葉・褒める
- complement = 補う・引き立てる・完成させる
この2語は、「人を褒める話」なのか、「何かが何かを良くする話」なのかで見分けると整理しやすくなります。
この記事では、意味・使い方・覚え方・派生語まで、混ざらないようにすっきり整理します。
compliment / complement の違いをひとことで整理
まずは全体像を表でつかみましょう。
| 単語 | 主な意味 | 使う場面 | 日本語イメージ |
|---|---|---|---|
| compliment | 褒め言葉、褒める | 人を評価するとき | 相手にいいことを言う |
| complement | 補う、引き立てる、補完物 | 組み合わせで良くなるとき | 足りない部分を満たして完成させる |
迷ったときは、次のように考えると判断しやすいです。
- 相手への言葉なら compliment
- 相性・組み合わせ・補完関係なら complement
たとえば、
- She complimented me on my jacket.
= 私のジャケットを褒めてくれた - This jacket complements your style.
= このジャケットはあなたの雰囲気によく合っている
同じ「よい」という方向の内容でも、褒めているのか、引き立てているのかで単語が変わります。
compliment の意味と使い方
compliment は「褒め言葉」「褒める」
compliment は、誰かに対して好意的な評価を伝えるときに使う語です。
名詞なら「褒め言葉」、動詞なら「褒める」という意味になります。
名詞の例
- Thank you for the compliment.
褒めてくれてありがとう。 - That was a nice compliment.
それはうれしい褒め言葉だった。
動詞の例
- She complimented me on my presentation.
彼女は私のプレゼンを褒めてくれた。 - He complimented her on her cooking.
彼は彼女の料理を褒めた。
よく使う形
compliment は、次の形で覚えると実用的です。
- compliment 人 on 物事
〜について人を褒める - pay 人 a compliment
人に褒め言葉を述べる
例文を見ると、使い方がつかみやすくなります。
- They complimented him on his speech.
彼らは彼のスピーチを褒めた。 - She paid me a compliment on my English.
彼女は私の英語を褒めてくれた。
compliment が向いている場面
compliment は特に、次のような場面でよく使います。
- 服装や見た目を褒める
- 仕事ぶりや努力を評価する
- 料理・作品・発表などを褒める
- 会話の中で好意を伝える
つまり、「言葉で相手を持ち上げる」場面が中心です。
complement の意味と使い方
complement は「補う」「引き立てる」「完成させる」
complement は、何かが別の何かと合わさることで、より良くなる・完成度が上がる、というときに使います。
ポイントは、褒めるのではなく、補い合うことです。
動詞の例
- This sauce complements the fish.
このソースは魚料理を引き立てる。 - The music complements her voice.
その音楽は彼女の声を引き立てている。 - Their skills complement each other.
彼らの技能は互いを補い合っている。
名詞の例
- This scarf is a perfect complement to your coat.
このスカーフはあなたのコートにぴったり合う。 - Her calm personality is a good complement to his energy.
彼女の落ち着いた性格は、彼の行動力をうまく補っている。
complement が向いている場面
complement は、次のような文脈で使いやすい単語です。
- 服や色の相性
- 料理と飲み物の相性
- デザインの組み合わせ
- 性格やスキルの補完関係
- チーム内で役割がうまくかみ合う場面
つまり、「AがBを良く見せる」「AとBが合わさると完成度が上がる」というときに自然です。
学校文法で見る complement とは別の意味もある
英語学習を進めると、complement が文法用語として出てくることがあります。
この場合は、日常会話の「引き立てる」という意味ではなく、文の意味を完成させる要素という専門的な意味です。
ただし、日常英会話や英作文でまず押さえたいのは、この記事で扱っている
- compliment = 褒める
- complement = 補う・引き立てる
の違いです。
compliment / complement の見分け方
1. 「人へのひとこと」なら compliment
compliment は、相手に向けた褒め言葉です。
そのため、主語や目的語に人が出てきやすいのが特徴です。
- I complimented her on her dress.
- He gave me a compliment.
「誰かに何か良いことを言っている」と感じたら、compliment を考えましょう。
2. 「組み合わせで良くなる」なら complement
complement は、物・色・味・性格・能力などが補い合う関係で使われやすい語です。
- Red complements black.
- These two ideas complement each other.
人を褒めるのではなく、相性や補完関係を述べるなら complement です。
3. スペルで覚えるコツ
覚え方としては、次の連想がわかりやすいです。
- compliment の i
→ I like it. の I を連想
→ 褒める - complement の e
→ complete を連想
→ 補って完成させる
完璧な語源説明として覚え込まなくても、試験や実務で迷わないための見分け方としては十分役立ちます。
complimentary / complementary も一緒に整理
この2語まで広げると、さらに混同しやすくなります。
ここでまとめて整理しておくと、あとで楽です。
| 単語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| complimentary | 賞賛の、好意的な / 無料の | complimentary remarks / complimentary breakfast |
| complementary | 補完的な、互いに引き立て合う | complementary colors / complementary skills |
complimentary の意味
complimentary は compliment から来ている語です。
そのため基本は「褒める」に近い意味ですが、実際には 「無料の」 という意味でも非常によく見かけます。
例
- The review was highly complimentary.
そのレビューはとても好意的だった。 - The hotel offers complimentary breakfast.
そのホテルは無料の朝食を提供している。
旅行英語では、complimentary drink や complimentary ticket もよく出ます。
complementary の意味
complementary は complement から来ていて、
補完的な・相性がよい・互いを生かし合う という意味です。
例
- They have complementary skills.
彼らは互いを補い合う技能を持っている。 - Blue and orange are complementary colors.
青とオレンジは補色の関係にある。
ここが特に間違えやすい
- complimentary breakfast
→ 無料の朝食 - complementary colors
→ 補色 - complimentary remarks
→ 褒め言葉・好意的な発言 - complementary roles
→ 補完関係にある役割
この4つはセットで覚えると、かなり混乱しにくくなります。
例文で違いをまとめて確認
ここでは、似た形の文を並べて違いを確認します。
compliment の例文
- She complimented me on my new haircut.
彼女は私の新しい髪型を褒めてくれた。 - I took his comment as a compliment.
私は彼の言葉を褒め言葉として受け取った。 - He paid her a compliment at dinner.
彼は夕食の席で彼女を褒めた。
complement の例文
- This wine complements the pasta well.
このワインはそのパスタによく合う。 - Her experience complements his technical knowledge.
彼女の経験は、彼の技術的知識をうまく補っている。 - The gold frame is a perfect complement to the painting.
その金色の額縁は、その絵にぴったり合っている。
並べて見ると違いがわかりやすい例
- He complimented her on her dress.
彼は彼女のドレスを褒めた。 - The dress complements her style.
そのドレスは彼女の雰囲気によく合っている。
前者は人への評価、後者は物と人の相性です。
この区別ができると、書き間違いがかなり減ります。
よくある間違い
間違い1:料理や色の相性なのに compliment を使う
誤:This sauce compliments the fish.
正:This sauce complements the fish.
ソースは魚を褒めるわけではありません。
魚料理を引き立てるので、complement が正解です。
間違い2:褒め言葉なのに complement を使う
誤:She gave me a nice complement.
正:She gave me a nice compliment.
相手から受け取ったのが褒め言葉なら、compliment を使います。
間違い3:無料サービスで complementary を使う
誤:The hotel provides complementary drinks.
正:The hotel provides complimentary drinks.
ホテルの無料サービスは、通常 complimentary です。
complementary にすると、「補完的な飲み物」という別の意味に近づいてしまいます。
迷ったときのチェック方法
書く直前に、次の2つを自分に聞くと判断しやすくなります。
「褒めている」のか?
褒めているなら、compliment です。
- 褒め言葉
- 好意的な評価
- 相手への賞賛
「補い合っている」のか?
補い合っているなら、complement です。
- 相性がよい
- 引き立てる
- 足りない部分を補う
- 合わさると完成度が上がる
この確認だけでも、かなりの確率で書き分けられます。
まとめ
compliment と complement の違いは、次の一文で整理できます。
- compliment は、人を褒める言葉
- complement は、何かを補ってより良くすること
最後に、最重要ポイントだけもう一度まとめます。
- compliment = 褒め言葉、褒める
- complement = 補う、引き立てる、補完物
- complimentary = 賞賛の、無料の
- complementary = 補完的な、相性がよい
英語では、意味が近いから同じ単語になるのではなく、
見た目が似ていても役割が違えば別単語ということがよくあります。
この2語は、その代表例です。
まずは
“She complimented me.” と
“This color complements the room.”
の2文をセットで覚えるところから始めると、混同しにくくなります。
