「〜を通って」「〜を横切って」「〜を越えて」と言いたいとき、through / across / over のどれを使えばいいのか迷いやすいです。
この3つはどれも移動に関係しますが、見ているポイントが違います。
結論から言うと、まずは次の3つで整理するとわかりやすくなります。
| 前置詞 | 基本イメージ | 使うときの感覚 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| through | 中を通り抜ける | 内部に入って、反対側へ抜ける | through a tunnel / through the forest / through the crowd |
| across | 面を端から端へ横切る | 平面的な広がりを横断する | across the street / across the river / across the field |
| over | 上を越える | 上方を通過する、障害物を越える | over the wall / over the fence / over the mountain |
つまり、選び方の軸は次の通りです。
- 中に入って抜けるなら through
- 面を横切るなら across
- 上を越えるなら over
ここを押さえるだけで、かなり迷いにくくなります。
through / across / over の違いをひとことで整理
3語の違いは、日本語訳よりも空間の見え方で考えるとすっきりします。
through は「内部を通る」
through は、何かの中に入って、その中を通り、向こう側へ抜けるイメージです。
トンネル・森・人ごみ・ドア・窓・パイプのように、内部や囲まれた空間を感じるものと相性がいい前置詞です。
例文
- We walked through the tunnel.
私たちはトンネルを通り抜けた。 - She pushed through the crowd.
彼女は人ごみをかき分けて進んだ。 - The road goes through the forest.
その道は森の中を通っている。
across は「面を横断する」
across は、端から端へ移動する感覚が強い語です。
道路・川・野原・砂漠・国・部屋など、広がりのある面を横切るときに使います。
例文
- He ran across the field.
彼は野原を横切って走った。 - She swam across the river.
彼女は川を泳いで渡った。 - I walked across the room.
私は部屋を横切って歩いた。
over は「上を越える」
over は、何かより高い位置を通る、または障害物を越えるイメージです。
壁・フェンス・山・ハードルなど、乗り越える感じがあるものによく使われます。
例文
- The bird flew over the lake.
鳥が湖の上を飛んだ。 - He jumped over the fence.
彼はフェンスを飛び越えた。 - They went over the mountain.
彼らは山を越えて行った。
迷ったらこれで判断できる選び方
実際の英文では、「日本語にどう訳せるか」よりも「どんな移動に見えるか」を考えるのがコツです。
1. 中に入って抜けるなら through
対象の内部を通るなら through を選びます。
たとえば次のような名詞です。
- tunnel
- forest
- crowd
- village
- gate
- pipe
例文
- The train went through the tunnel.
- We drove through several small villages.
- Sunlight came through the window.
「囲まれている中を進む」「内部を抜ける」という感覚があるなら through が自然です。
2. 面を端から端へ行くなら across
対象を平面的に見ているなら across が合います。
よく使う名詞は次の通りです。
- street
- road
- river
- field
- room
- desert
- border
例文
- Be careful when you walk across the street.
- They sailed across the lake.
- She threw the ball across the room.
「こちら側から向こう側へ」という、地図の上で線を引くような感覚が across です。
3. 上を通過する・越えるなら over
対象の上方を通る、または乗り越えるなら over です。
相性がいい名詞は次の通りです。
- wall
- fence
- mountain
- obstacle
- head
- roof
例文
- The cat jumped over the wall.
- The plane flew over the city.
- He leaned over the table.
「上に位置する」「上を越える」が over の核です。
through の使い方を例文で詳しく理解する
through は、この3語の中でも特に「中を進む感覚」がはっきりしています。
物理的な空間の中を通る
もっとも基本的なのはこの使い方です。
- through the tunnel
- through the forest
- through the door
- through the crowd
例文
- We walked through the forest in silence.
私たちは静かに森の中を進んだ。 - She came in through the back door.
彼女は裏口から入ってきた。 - The dog ran through the garden.
犬は庭の中を走り抜けた。
「何かに囲まれた中」を進むイメージが大事
through を使うときは、対象をただの平面ではなく、中に入れる空間として見ています。
たとえば forest は木が並んでいて、その間を進むので through が自然です。
crowd も、人に囲まれた中を進むので through がよく合います。
through を使うと自然な場面
次のような場面では through がかなり使いやすいです。
- トンネルを抜ける
- 森の中を進む
- 人ごみをかき分ける
- 窓・穴・すき間を通して見える
- いくつかの町を通過する
例文
- We drove through the tunnel and turned left.
- He pushed through the crowd to catch the train.
- I looked through the glass.
across の使い方を例文で詳しく理解する
across は、「面を横切る」感覚を持つ前置詞です。
道・川・野原・部屋などを横切る
across がよく使われるのは、端が意識できる広がりです。
- across the street
- across the river
- across the field
- across the room
例文
- She walked across the street.
彼女は通りを横切った。 - They ran across the field.
彼らは野原を横切って走った。 - He looked across the room at me.
彼は部屋の向こうから私を見た。
across は「向こう側」の意味にもつながる
across は移動だけでなく、向こう側にあるという位置関係にもつながります。
例文
- The bank is across the street.
銀行は通りの向かいにある。 - She lives across the river.
彼女は川の向こう側に住んでいる。
across は「広がり全体」にも使われる
移動のイメージから広がって、「ある範囲のあちこちに」という意味でも使われます。
例文
- The news spread across the country.
そのニュースは国中に広がった。 - Her smile spread across her face.
笑顔が彼女の顔いっぱいに広がった。
ただし、今回のテーマは移動なので、まずは端から端への横断を中心に覚えれば十分です。
over の使い方を例文で詳しく理解する
over は「上を通る・上を越える」が出発点です。
壁・フェンス・山などの障害物を越える
over がもっともわかりやすいのは、何かを乗り越える場面です。
例文
- He jumped over the fence.
彼はフェンスを飛び越えた。 - We climbed over the wall.
私たちは壁をよじ登って越えた。 - They went over the mountain.
彼らは山を越えて行った。
上空や上方を通る
over は、接触していなくても使えます。
例文
- A plane flew over the city.
飛行機が街の上空を飛んだ。 - Clouds moved over the hills.
雲が丘の上を流れていった。
over は「上を覆う」感覚にも広がる
over は移動以外にも、「上にかぶさる」「覆う」という使い方があります。
例文
- She put a blanket over the child.
彼女は子どもに毛布をかけた。 - There was a cloth over the table.
テーブルの上に布がかかっていた。
ただ、移動を表す場面でまず覚えたいのは、上方通過と障害物越えです。
through / across / over で特に迷いやすい組み合わせ
ここが一番つまずきやすいところです。
よくある迷いを、名詞ごとに整理します。
tunnel は through
トンネルは中に入って抜けるので through です。
- The train went through the tunnel.
across the tunnel とは普通言いません。
トンネルは「面」ではなく、「内部空間」としてとらえるのが自然です。
forest は through
森は木々に囲まれた中を進む感覚があるので through が基本です。
- We walked through the forest.
「森を横切る」と日本語で思っても、英語では森の中を進む感覚が強いため、through が自然です。
wall / fence は over
壁やフェンスは上を越える障害物として見えるので over を使います。
- He climbed over the wall.
- The horse jumped over the fence.
through the wall は「壁を貫通して」という別の意味になりやすいので注意しましょう。
street / river / field は across
道路・川・野原などは、基本的に面を端から端へ渡るので across が自然です。
- She ran across the street.
- They swam across the river.
- He walked across the field.
bridge は across と over をどう使い分ける?
これはかなり迷いやすいポイントです。
across the bridge
橋を通路として渡るときに自然です。
- We walked across the bridge.
私たちは橋を渡った。
橋そのものを「こちら側から向こう側へ行くための面」と見ている感覚です。
over the river
こちらは「川の上にかかっている」という上方関係を表しやすい言い方です。
- There is a bridge over the river.
川に橋がかかっている。
つまり、
- 橋を渡る動作なら across the bridge
- 川の上にある位置関係なら over the river
と分けて考えると整理しやすくなります。
road は across が基本、over は一部の文脈で使われる
学習者にとっては、まず across the road を基本にしておくのが安全です。
- He walked across the road.
一方で over は、「向こう側へ」「上方・越える感覚」を帯びて使われることもあります。
ただ、迷ったらまず across を選べば大きく外しにくいです。
through / across / over の違いを一気に覚えるコツ
覚え方は、訳語を増やすより絵で思い浮かべることです。
through は「中」
中へ入る → 中を進む → 向こう側へ抜ける
across は「面」
こちら側 → 面を横断 → あちら側
over は「上」
下にあるものを意識 → その上を通る / 越える
この3つを頭の中で図にすると、かなり定着しやすくなります。
迷ったら自分にこの3つを聞く
- 中を通るのか?
- 面を横切るのか?
- 上を越えるのか?
この3問で、多くの場面は判断できます。
through / across / over のよくある間違い
ここでは、学習者がやりがちなミスをまとめます。
1. 森や町に across を使ってしまう
誤りになりやすい例
- We drove across several small villages.
自然な言い方
- We drove through several small villages.
村や町は「中を通過する」感覚なので through が合います。
2. 壁やフェンスに across を使ってしまう
誤りになりやすい例
- He jumped across the fence.
自然な言い方
- He jumped over the fence.
フェンスは平面ではなく、越える対象として見えるので over です。
3. トンネルに across を使ってしまう
誤りになりやすい例
- The train went across the tunnel.
自然な言い方
- The train went through the tunnel.
トンネルは内部を抜けるので through です。
4. 何でも「〜を横切る」でまとめてしまう
日本語では「横切る」「通る」「越える」が似て見えることがあります。
でも英語では、どこをどう移動したかをかなり細かく見ています。
そのため、日本語をそのまま英語に当てるよりも、
- 中なのか
- 面なのか
- 上なのか
で選ぶ方がうまくいきます。
through / across / over の練習問題
ここで一度、自分で選べるか確認してみましょう。
問題
- The children ran ( through / across / over ) the field.
- We walked ( through / across / over ) the tunnel.
- The cat jumped ( through / across / over ) the wall.
- She pushed her way ( through / across / over ) the crowd.
- A bird flew ( through / across / over ) the lake.
答え
- across
- through
- over
- through
- over
解説
1. field は across
野原は平面的な広がりとして見えるので across。
2. tunnel は through
トンネルは中を通り抜けるので through。
3. wall は over
壁は越える対象なので over。
4. crowd は through
人ごみの中を進むので through。
5. lake は over
湖の上空を飛ぶなら over。
湖面を端から端へ船で進むなら across も考えられますが、鳥が飛ぶなら over が自然です。
through / across / over の違い まとめ
最後に、重要点だけを整理します。
- through = 中を通り抜ける
- across = 面を端から端へ横切る
- over = 上を通る、上を越える
覚え方のコツは、訳語を丸暗記することではありません。
移動の見え方を変えることが大切です。
迷ったときは、次のように考えてください。
- 内部があるなら through
- 平面的な広がりなら across
- 上方通過・障害物越えなら over
この基準で見るだけで、英文の前置詞選びはかなり安定します。
最初は細かい違いに見えても、使うたびに感覚が積み上がっていきます。
まずは through the tunnel / across the street / over the wall のような定番表現から繰り返し使って、体で覚えていきましょう。
