「増える」「増やす」「育てる」を英語にしようとすると、grow / raise / increase のどれを使えばいいのか迷いやすいです。
この3語はどれも「大きくなる・多くなる」と関係がありますが、何が増えるのか、自然に増えるのか、誰かが意図して増やすのかで使い分けが変わります。
先に結論を言うと、基本は次のとおりです。
| 単語 | コアイメージ | よく使う場面 |
|---|---|---|
| grow | 自然に成長する・育つ・発展する | 子どもが成長する、植物が育つ、会社が成長する |
| raise | 人が上げる・育てる | 子どもを育てる、税金を上げる、価格を上げる |
| increase | 量・数・程度が増える/増やす | 売上が増える、費用を増やす、人口が増える |
まずはこの表を頭に入れておくと、かなり迷いにくくなります。
grow / raise / increase の違いを一言で言うと
3語の違いをさらに短くまとめると、こう考えるとわかりやすいです。
grow は、時間をかけて大きくなる・成長するイメージです。
raise は、誰かが手を加えて上げる・育てるイメージです。
increase は、感情をあまり含まずに数量や程度が増える・増やすことを表す中立的な語です。
たとえば、
- 子どもが成長する → grow
- 親が子どもを育てる → raise
- 売上が増える → increase
- 会社が成長する → grow
- 税金を上げる → raise
という使い分けになります。
ここを押さえるだけでも、かなり使い分けしやすくなります。
grow の意味と使い方
grow は「自然に育つ・成長する」が基本
grow は、「自然な変化の中で大きくなる」「成長する」「発展する」という感覚が中心です。
たとえば、次のように使います。
- Children grow quickly.
子どもは早く成長します。 - The plant grows well in the sun.
その植物は日当たりのよい場所でよく育ちます。 - The company is growing fast.
その会社は急成長しています。
このように、人・植物・会社・人気・市場など、時間をかけて伸びていくものと相性がいい単語です。
grow は「植物を育てる」という他動詞でも使える
grow は自動詞だけでなく、他動詞でも使えます。
この場合は、植物などを育てる・栽培するという意味になります。
- We grow tomatoes in our garden.
私たちは庭でトマトを育てています。 - She grows herbs on the balcony.
彼女はベランダでハーブを育てています。
日本語では「育てる」なので raise を使いたくなりますが、家庭菜園やガーデニングの文脈では grow が自然です。
grow は「ひげを生やす」「会社を成長させる」にも使える
grow は植物以外にも使われます。
- He grew a beard.
彼はひげを生やしました。 - They want to grow the business.
彼らは事業を成長させたいと思っています。
つまり grow は、単なる「育つ」だけでなく、成長させる・発展させるという方向にも広がる単語です。
raise の意味と使い方
raise は「人が上げる・育てる」
raise のポイントは、誰かが意図して上げる・育てることです。
自然に増えるのではなく、人の働きかけが見える語です。
- The government raised taxes.
政府は税金を引き上げました。 - They raised their prices.
彼らは価格を上げました。 - We need to raise standards.
基準を引き上げる必要があります。
このように、税金・価格・基準・声・手など、「上に上げる」「高くする」ものによく使います。
raise は「子どもを育てる」の基本語
「子どもを育てる」は、英語では raise a child / raise children が基本です。
- They raised three children.
彼らは3人の子どもを育てました。 - She was raised by her grandparents.
彼女は祖父母に育てられました。
ここは英語学習で特によく間違えるところです。
子ども自身が成長するなら grow、
親などが子どもを育てるなら raise です。
この違いはとても重要です。
raise は動物や植物にも使える
raise は子どもだけでなく、動物や植物を育てる意味でも使われます。
- The farmer raises chickens and pigs.
その農家は鶏と豚を育てています。
ただし、植物については少し注意が必要です。
日常会話で「花を育てる」「野菜を育てる」と言うときは、ふつう grow flowers / grow vegetables が自然です。
一方で raise は、農業・畜産・生産のような文脈で使われやすい語です。
つまり、植物については
- 家庭菜園・ガーデニング → grow
- 農業・生産・飼育に近い感覚 → raise も使われる
と考えると整理しやすいです。
increase の意味と使い方
increase は「量・数・程度が増える/増やす」の基本語
increase は、3語の中でいちばん中立的で、数字と相性がよい単語です。
- Sales increased last year.
売上は昨年増えました。 - The cost has increased dramatically.
コストは大幅に増加しました。 - We need to increase production.
生産を増やす必要があります。
このように、売上・費用・人口・数・割合・生産量など、数字でとらえやすいものに使いやすいのが特徴です。
increase は自動詞にも他動詞にもなる
increase は便利な単語で、
- 自動詞:〜が増える
- 他動詞:〜を増やす
の両方で使えます。
- Sales increased.
売上が増えた。 - We increased sales.
私たちは売上を増やした。
この点は学習者にとって使いやすいところです。
increase は「育てる」には使わない
increase は便利ですが、子どもや植物を育てるという意味では使いません。
- × We increased our children.
- × She increased flowers in her garden.
このような言い方は不自然です。
increase はあくまで、量・数・程度を増やす語です。
「育てる」というニュアンスまでは持っていません。
grow と raise と increase の使い分けを場面別に整理
ここでは、実際に迷いやすい場面をまとめて整理します。
子どもに使うとき
- 子どもが成長する → grow / grow up
- 親が子どもを育てる → raise
例文です。
- My son is growing fast.
息子はどんどん大きくなっています。 - I grew up in Osaka.
私は大阪で育ちました。 - My parents raised me in Osaka.
私の両親は大阪で私を育てました。
grow up は「育つ・大人になる」、
raise は「育てる」です。
植物に使うとき
- 植物が育つ → grow
- 植物を育てる → grow
- 農業・生産の文脈で育てる → raise が使われることもある
例文です。
- These flowers grow well in spring.
これらの花は春によく育ちます。 - We grow vegetables at home.
私たちは家で野菜を育てています。
英作文では、植物ならまず grow を思い出すと失敗しにくいです。
売上・価格・税金に使うとき
- 売上が増える → increase / grow
- 売上を増やす → increase
- 価格や税金を上げる → raise
- 価格やコストが上がる → increase
例文を比べると違いが見えます。
- Sales increased by 10%.
売上は10%増えました。 - The company grew rapidly.
その会社は急成長しました。 - They raised prices.
彼らは値上げしました。 - Costs increased.
コストが増えました。
ここでのコツは、数字や結果なら increase、会社全体の成長なら grow、人が意図して上げるなら raise です。
よくある間違い
I grow my child. は不自然
「子どもを育てる」と言いたくて I grow my child. とすると不自然です。
正しくは、
- I raise my child.
- I am raising two children.
です。
一方で、「子どもが育つ」は
- My child is growing.
- My child is growing up.
となります。
育てる人に注目するなら raise、
育つ子どもに注目するなら grow / grow up です。
Sales raised. は基本的に不自然
raise は他動詞なので、普通は目的語が必要です。
そのため、
- × Sales raised.
は不自然です。
正しくは、
- Sales increased.
- Sales grew.
- We raised sales.
となります。
「売上が増えた」なら increased / grew、
「売上を増やした」なら raised / increased のように考えましょう。
植物に何でも raise を使えばよいわけではない
raise は植物にも使える場合がありますが、日常的な「植物を育てる」では grow が自然なことが多いです。
そのため、
- I grow roses.
- We grow tomatoes.
のように言えるようにしておくと実用的です。
by と to の使い分けも一緒に覚えると便利
increase を使うときは、by と to の違いも覚えておくと表現の幅が広がります。
increase by は「どれだけ増えたか」
- Sales increased by 10%.
売上は10%増えた。
by は「増加分」に注目する言い方です。
increase to は「どこまで増えたか」
- Sales increased to 200 units.
売上は200個まで増えた。
to は「到達点」に注目する言い方です。
同じ考え方は、grow にもよく使われます。
- The labor force is expected to grow by 2%.
労働人口は2%増える見込みです。 - The number of stores has grown from 80 to over 150.
店舗数は80から150超まで増えました。
数字を扱う英語ではかなりよく出るので、ここはセットで覚えるのがおすすめです。
迷ったときの選び方
単語選びで迷ったら、次の4つの質問を自分にしてみてください。
1. 自然な成長ですか
自然に大きくなる、発展する、育つなら grow が有力です。
- children grow
- plants grow
- the business grows
2. 誰かが意図して上げていますか
人が手を加えて上げる・高めるなら raise が有力です。
- raise prices
- raise taxes
- raise children
- raise standards
3. 数字・量・程度の話ですか
数量や割合の増加なら increase が最も使いやすいです。
- increase sales
- costs increased
- increase production
4. 「育てる」の意味ですか、それとも「増やす」の意味ですか
ここは特に大事です。
- 育てる → grow / raise
- 増やす → increase / raise
- 増える → grow / increase
この区別ができると、かなり正確になります。
例文でまとめて確認
最後に、3語の違いがはっきり出る例文を並べます。
grow を使う例
- My daughter has grown a lot this year.
娘は今年かなり成長しました。 - We grow herbs on the windowsill.
私たちは窓辺でハーブを育てています。 - The company grew quickly after launching the new service.
その会社は新サービス開始後に急成長しました。
raise を使う例
- They raised two children in a small town.
彼らは小さな町で2人の子どもを育てました。 - The government plans to raise taxes.
政府は増税を計画しています。 - The farmer raises chickens.
その農家は鶏を育てています。
increase を使う例
- Sales increased by 10% last month.
先月、売上は10%増えました。 - We need to increase productivity.
私たちは生産性を上げる必要があります。 - The cost of the project has increased.
そのプロジェクトの費用は増えています。
まとめ
grow / raise / increase は、どれも「増える・増やす」と関係しますが、同じではありません。
ポイントをもう一度まとめます。
- grow = 自然に育つ・成長する・発展する
- raise = 人が上げる・育てる
- increase = 数量や程度が増える・増やす
特に覚えておきたいのは次の3つです。
子どもは grow するが、親は raise する。
植物は grow が基本。
数字や数量は increase が使いやすい。
この3つを押さえておけば、英作文でも会話でもかなり自然な英語になります。
迷ったときは、
「自然な成長か」
「人が上げているか」
「数字の増加か」
の3点で見分けてみてください。
