英語で「教える」と言いたいとき、いつも teach を使えばよいわけではありません。
日本語の「教える」はとても幅広く、
情報を伝える ときも、見せながら説明する ときも、知識や技術を身につけさせる ときも、同じ「教える」で表せます。
しかし英語では、その違いを動詞で分けるのが自然です。
まず結論からいうと、使い分けの基本は次のとおりです。
| 単語 | 核になる意味 | こんなときに使う |
|---|---|---|
| teach | 知識・技能を身につけさせる | 英語、数学、泳ぎ方、仕事のやり方などをしっかり教える |
| tell | 情報を伝える・知らせる | 時間、道順、答え、予定、名前などを教える |
| show | 見せる・実演してわからせる | 使い方、操作方法、道、手順などを見せながら教える |
つまり、ひとことで言えば、
teach = 学ばせる
tell = 伝える
show = 見せてわからせる
この3つの違いをつかむだけで、「教えてください」の英訳で迷いにくくなります。
teach / tell / show の違いをひとことで整理
3語の違いは、相手に何をしてほしいか で考えるとわかりやすくなります。
tell は、相手に「知っている情報を口頭で伝えてほしい」ときに使います。
たとえば、時間・答え・名前・理由・道順などです。
show は、相手に「見せたり実演したりしながら教えてほしい」ときに使います。
スマホの操作、料理の手順、機械の使い方などと相性がよい語です。
teach は、相手に「知識や技能が身につくように教えてほしい」ときに使います。
学校の教科、語学、スポーツ、楽器、仕事のスキルなどが代表例です。
この視点で見ると、日本語の「教える」が英語では3方向に分かれていることが見えてきます。
teach の意味と使い方
teach は「知識・技能を身につけさせる」
teach は、ただ一回だけ情報を伝えるというより、相手が学んでできるようになること に重心があります。
たとえば、次のような場面です。
- 英語を教える
- 数学を教える
- 子どもに泳ぎ方を教える
- 新人に仕事のやり方を教える
例文を見てみましょう。
- She teaches English at a high school.
彼女は高校で英語を教えています。 - My father taught me to swim.
父は私に泳ぎ方を教えてくれました。 - Can you teach me how to use this software?
このソフトの使い方を教えてもらえますか。
最後の文はとても大事です。
teach 人 how to … は使えます。
ただしこの場合は、単なるワンポイント説明ではなく、使えるようになるまで教える という響きが出やすいです。
teach が向いている場面
teach が自然なのは、次のようなケースです。
- 教科や学問を教える
- スポーツや楽器などの技能を教える
- 仕事の手順を継続的に教える
- 初心者に基礎から教える
そのため、
- teach English
- teach math
- teach children
- teach someone to drive
のような表現は自然です。
一方で、時刻・名前・答え・住所 のような単発情報には、teach はふつう使いません。
tell の意味と使い方
tell は「情報を伝える」
tell は、相手に何かを伝える・知らせる ときの基本動詞です。
「教える」と訳されることは多いですが、感覚としては
“情報を相手に渡す”
に近いです。
たとえば、次のような内容と相性がよいです。
- 時間を教える
- 道を教える
- 名前を教える
- 理由を教える
- 答えを教える
- 予定を教える
例文はこちらです。
- Can you tell me your name?
お名前を教えてもらえますか。 - Please tell me the answer.
答えを教えてください。 - Can you tell me how to get to the station?
駅までの行き方を教えてもらえますか。
この3文では、相手に求めているのは「指導」ではなく、情報の提供 です。
だから teach ではなく tell が自然です。
tell は「人に何かをするように言う」にも使う
tell は「教える」だけでなく、言いつける・指示する 形でもよく使われます。
- I told her to wait.
私は彼女に待つように言いました。
この形は、
tell + 人 + to do
です。
ここは学習者が混同しやすいところです。
tell は「情報を教える」ときにも使いますが、命令・指示 の形でも非常によく使われます。
show の意味と使い方
show は「見せながら教える」
show は「見せる」が基本ですが、そこから
見せたり、実演したり、例を示したりして教える
という意味でも使われます。
日本語では「見せる」と「教える」を別の言葉に感じますが、英語ではこの show がかなり便利です。
たとえば、次のような場面で自然です。
- スマホの使い方を教える
- 機械の操作を教える
- 地図を見せながら道を教える
- 実際にやって見せて説明する
例文を見てみましょう。
- Can you show me how to use this app?
このアプリの使い方を教えてもらえますか。 - She showed me how to make an omelet.
彼女はオムレツの作り方を見せながら教えてくれました。 - Could you show me the way to the station?
駅までの道を教えていただけますか。
ここで大切なのは、show は必ずしも「無言で見せる」だけではないということです。
実際には、説明しながら見せる、例を示してわからせる という使い方もよくあります。
show は「いま目の前で教えて」に強い
show の強みは、その場で見せながら教える感じ が出ることです。
たとえば、
- このボタンどう押すの?
- この資料どう作るの?
- このアプリどう使うの?
という場面では、teach よりも show のほうが自然なことが多いです。
Could you show me how to do it?
は、日常会話でも仕事でも使いやすい定番表現です。
同じ「教える」でも英語が変わる例
ここがいちばん迷いやすいところです。
同じ日本語でも、英語では意味の焦点が変わります。
「このアプリの使い方を教えて」
この日本語は、実は3通りに言えます。
- Tell me how to use this app.
口頭で手順を教えて。 - Show me how to use this app.
実際に見せながら教えて。 - Teach me how to use this app.
使えるようになるまで教えて。
どれも不自然ではありません。
違うのは、教え方のイメージ です。
この違いがわかると、英語表現がかなり自然になります。
「道を教えて」
この場合、基本は tell か show です。
- Can you tell me the way to the station?
口頭で道を教えてください。 - Can you show me the way to the station?
示しながら道を教えてください。
後者は、地図・画面・指差し・案内など、視覚的な助け がある感じです。
一方で、teach me the way はふつうの道案内では不自然です。
道順は「学問や技能」とは考えにくいからです。
「英語を教えて」
これは基本的に teach です。
- She teaches English.
- Can you teach me English?
英語という教科・知識・技能を扱っているので、tell や show より teach が自然です。
「答えを教えて」
これは tell が基本です。
- Please tell me the answer.
答えは、その場で伝えられる情報だからです。
show を使うなら、たとえば「画面や紙を見せて答えを示す」ような場面になります。
迷ったときの判断基準
迷ったら、次の3ステップで考えると決めやすくなります。
1. 欲しいのは「情報」か
時間、名前、理由、予定、答え、道順など、
知っていることを伝えてほしい なら tell をまず考えます。
- tell me the time
- tell me your name
- tell me why
- tell me how to get there
2. 欲しいのは「実演」か
見せながら、触りながら、画面を見ながらなど、
見える形で教えてほしい なら show が合いやすいです。
- show me how to use it
- show me what to do
- show me the way
3. 欲しいのは「習得」か
相手に何かを学ばせる・身につけさせる なら teach を使います。
- teach English
- teach math
- teach children to read
- teach me how to drive
この3つを区別すると、かなりの場面で正しく選べます。
よくある間違い
1. 単発情報に teach を使ってしまう
× Please teach me your phone number.
○ Please tell me your phone number.
電話番号は「技能」ではなく情報です。
この場合は tell が自然です。
2. 道案内で teach を使ってしまう
× Can you teach me the way to the station?
○ Can you tell me the way to the station?
○ Can you show me the way to the station?
道順は、ふつうは tell か show で表します。
3. show を「ただ見せる」だけだと思い込む
show は「見せる」だけでなく、
見せたり実演したりして教える という意味でも使えます。
そのため、
- Show me how to do it.
- She showed me what to do.
のような表現はとても自然です。
4. tell と tell 人 to do を混同する
- Tell me how to do it.
やり方を教えて。 - Tell me to do it.
それをやるよう私に言って。
この2つはまったく違います。
前者は情報要求、後者は指示です。
例文で使い分けを確認
ここでは、場面ごとに自然な英語をまとめておきます。
情報を教えてほしいとき
- Can you tell me the time?
- Please tell me your email address.
- He told me why he was late.
- Can you tell me how to get to City Hall?
見せながら教えてほしいとき
- Can you show me how to open this file?
- She showed me how to use the copier.
- Let me show you what to do.
- Could you show me the way?
学べるように教えてほしいとき
- She teaches math.
- My coach taught me how to swim faster.
- Can you teach me how to write emails in English?
- He taught his son to ride a bike.
teach / tell / show の使い分けチェック
次の日本語なら、どの語がいちばん自然でしょうか。
- すみません、駅までの道を教えてください。
- このソフトの使い方を見せながら教えてください。
- 子どもに英語を教えています。
- 本当のことを教えて。
- この機械の操作を基礎から教えてください。
答えは次のとおりです。
- tell / show
- show
- teach
- tell
- teach
ここで重要なのは、「日本語の一語対応」で覚えないことです。
何を相手に渡したいのか を考えると、正しい動詞を選びやすくなります。
まとめ
「教える」を表す teach / tell / show の違いは、次のように覚えると実用的です。
- teach は、知識や技能を身につけさせる
- tell は、情報を伝える
- show は、見せたり実演したりして教える
迷ったときは、
情報なら tell
実演なら show
習得なら teach
と考えてみてください。
特に覚えておきたいのは、この3つです。
- tell me the answer
- show me how to do it
- teach me English
この3本柱が頭に入っていれば、「教える」の英訳で大きく迷うことはかなり減ります。
